『弥勒の掌』 文庫になるのを待とうと思っていたのだけれど、このミス2006 ((『このミステリーがすごい 2006年版』のこと。『容疑者Xの献身』じゃなくて、こちらに反応するところが私らしい。))の19位にノミネートしているのを見て思わず買ってしまった一冊。
このミス曰く、我孫子武丸が『殺戮に至る病』から13年。新しいあっと驚く仕掛けを引っさげてこのミスに戻ってきた
とのこと。
『殺戮に至る病』と言えば───この本はこういう本で、こういう謎解きなんだとネタばらしするのは好きじゃないのですが、面白いから読め!とだけ書いても伝わらないでしょう…───叙述トリックを使ったサイコサスペンスの傑作 ((傑作であるが、心臓の弱い方と18歳未満は読んじゃだめなんである。あとチュンソフトによると我孫子さんって素敵って思ってる女子の皆さんも読んじゃだめなんだそうである。まる。))です。
叙述トリックは、そのトリックが明らかになったときにあからさまに筆者の存在(あるいは、筆者の仕組んだ様をか)を感じさせるため、物語の世界に没入したい読者からは嫌われる傾向にあるそうですが、私はどちらかというとこの世界が崩壊するような感覚にある種カタルシスを感じるので、結構好んでいます。
話が長くなってしまいましたが、『弥勒の掌』もまた叙述トリックを使った操作小説です。読み進める途中でなんとなく真相が分かったのですが、最後まで読み終えたらトリックの半分も当てられていませんでした。こんなにも簡単なことだったのに!
今回も見事にやられてしまったわけですが、それがなんとも心地良い。ぜひともこおの気持ちを味わって頂きたいと思います。
“[小説] 弥勒の掌 我孫子武丸著” への2件のフィードバック
怖いけど面白そうですね~~!!
明日さっそく本屋に走ろうと思いま~す(*^_^*)
が。
心臓弱いから気をつけながら読まなくちゃっっ。
殺戮のほうは全編に渡ってとっても暗い話なので、結構根気いるかも知れません(゜ー゜;)
弥勒のほうは淡々としているので、わりと平気だと思いますが。
どちらも最後にあっと驚けるところは請け合いですよ~。