読むぞ読むぞと言っていた綿矢りささんの『蹴りたい背中』、読み終わりました。やっと、という感じではなくて、毎晩寝る前に30分くらいずつ読んでいたらわりとすぐに読み終わってしまったという印象です。この本はデータでも提供されているみたいなので、PalmやらMuseaやらで読むことができるみたいなんですが、活字は本で読みたいと思う性質なため、しっかり1000円出してハードカバーを買いました。データのほうが安かったのかな(´・ω・`)
芥川賞というと芸術性を競い合うものなので、ともすればとても読みにくい、難しい小説を思い浮かべてしまうのですが、この本は声に出してすらすら読もうとするとちょっとひっかかるところもあるのですが、基本的にはすんなりと頭に入ってくる文章でとても読みやすかったです。
では、この本はお勧めか、というと難しいところです。というのも、最後までこの話のテーマが分からなかったからです。
高校に入ったもののクラスになじめない主人公ハツが、同じくクラスの余り物の蜷川の存在に気づきます。蜷川はアイドルオタク、だけどやがてハツは蜷川は気になって…というストーリーなわけなんですが、恋愛小説ってわけじゃないので直接的な表現じゃないんですよね。世間に対する違和感、蜷川の背中を蹴りたいというイビツな愛情が妙にさわやかなタッチで描写されているんです。
で、いつになったらくっつくんだよ、と気になって最後まで読んでいくのですが、とにかく進展のない二人なんです。何か大きなテーマや、ドキドキハラハラするストーリーを期待していたからかもしれませんが、そういう意味では期待外れだったと言えます。とはいえ、筆者にとってまだたったの2作目の作品で、これからきっと成長してくれることと思います。語り口がとても気に入ったので、ぜひ次の作品が読みたいです。
次は『インストール』を読んでみようと思います。読み終えたらまたレビューします。
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“蹴りたい背中読了” への3件のフィードバック
レビューおつかれん(‘∇’)ノ
なるほど、最後まで進展がなくてちょっと意味不明だったりもするのか・・・・
でも文章の勉強にはなりそうだからやっぱり似非字書きとして買ってみようかな(●´―`●)
インストールのほうもまた読んだらレビューしてね~
文藝春秋に蹴りたい背中と蛇にピアス、どっちも完全収録されてたから買っちゃった~。
とりあえずあとでじっくり読むZE!
そうらしいね・・・。インストールもどっちもハードカバーでかっちゃったよ_| ̄|○
文章はうまいと思うよ~。勉強になるかも。