ここしばらく WordPress 3.0 を研究している。
一番の目玉は WordPress MU との統合だが、全サイト同一のテーブルに入る仕様のため、(どれほどそれがボトルネックになるかは不明だが)単一テーブルへのアクセス集中を嫌って、私は導入しないだろう。
そうなると、目玉は残りは カスタムタクソノミーとカスタム投稿タイプだ。
カスタムタクソノミーは、カテゴリからタグへという、2.3 から続く流れの集大成だ。全てはタグへ。すべてをひとつのレイヤーで扱えたほうが便利だからだ。
だがしかし、従来のカテゴリのように扱いたい、という需要も少なからずある。だったら、タグに階層を設け、階層のあるものはカテゴリと呼び、全部のタグを呼び出したら、カテゴリと便宜的に呼んだタグも一緒に表示できる。これが、3.0 で目指した姿だ。
しかし、利用者が体感できるケースは少ないだろう。新規のサイトではカスタムタクソノミーを導入する動機があるだろうが、既存のサイトは従来のカテゴリとタグの運用で十分だ。
だから、私がカスタムタクソノミーを喜んで使うことはしばらく先だろう。新機能なのに残念だ。
残ったのはカスタム投稿タイプだ。当初私はこれも使わないだろうと思っていた。テーマごとに複雑なコードが必要で、表示にも気を使う。
しかし、救世主が現れた。Custom Post Type UI プラグインだ。これを有効にして、管理画面から必要項目を有効にしさえすればいい。
実際使ってみるとカスタム投稿タイプはことのほかいい。一番のメリットは、投稿の新規追加画面の入力項目をコントロールできることだ。
いま、私は自分の部署のイントラサイトを WordPress 3.0 で構築している。部内の周知事項や会議資料の所在を共有するのに、CMS は都合がよい。ログインしてもらい、ブログを書く要領で皆に更新してもらおうと思っている。
ところがだ。WordPress をクライアントに納品したことがあるあなたは言われたことがあるかもしれない。更新をしようと、投稿の新規追加を開いた奴らは決まってこういうのだ。
「この、抜粋、とか、トラックバックって、何を入力したらいいの?」
分からなかったら、何も入力しなければいいのに、そうはできないようだ。
「入力しないと、誤動作するかと思って。テストでも、分からなくても答えを書けって先生に言われたし。」
おまえは、中学生か。こうした無用なやりとりを無くすためにも、カスタム投稿タイプは最高だ。
いらないものはなくしてしまえばいい。タイトルと本文だけで十分だ。これだけシンプルなら、もう質問は来ないだろう。
何かを選ぶことは、何かをあきらめることだ。
いちいち、質問がくる投稿の新規追加なんて、もういらない。投稿は全部本文とコンテンツに絞ったカスタム投稿タイプの新規追加から行えばいいのだ。
私たちはやりたいことがあって新機能を使うのではない。新機能を使うため、試すのだ。
それでは本末転倒だ、という人に対して、私はこう言いたい。「仏壇に祈るのに理由がいるか?」と。
さぁ、ここまで読めばあなたもカスタム投稿タイプを使ってみたくなっただろう。
いますぐ、WordPress 3.0 をインストールし、カスタム投稿タイプを試すのだ。そして一緒に苦しもうではないか。きっと新しい世界が開けるはずだ。
※本記事は、カスタム投稿タイプとカスタムタクソノミーの融合に悩んでいた最中に、RSS で読んだ「私がiPadを買うべきでない理由」へのオマージュです。冗談なので本気にしないよーに。
“私がカスタム投稿タイプを使うべき理由” への5件のフィードバック
3.0 テスト投稿。
「投稿」と「カスタム投稿」が出るとそれこそどちらに投稿すれば良いのではないか?オデ君、と言うことにはなりませんか。
投稿者でログインして、「投稿」を消して「カスタム投稿」だけ表示できるとなお良いです。
[…] ●私がカスタム投稿タイプを使うべき理由 | Odysseygate.com http://8bitodyssey.com/archives/1628 […]
単純に笑わせてもらいましたw
[…] 「Wordpress 3.0 の複数ブログはすべて同一テーブルに入る」というのを読んで不安に思っていたのだが、実際には別のテーブルに入った。 […]