AMP と Instant Articles の時代を生き抜くには


AMP

タイに住んでる西川さんが AMP と Instant Articles に触れていて、

http://nskw-style.com/2016/publishing/on-publishing-with-amp-instant-article.html

なるほど、しばらく忙しくて離れていると、いろんな動きがあるものですね。

AMP? Instant Pages?ざっくり言うと

西川さんの説明も借りながら簡単に説明すると、AMP や Instant Articles とはサイトのコンテンツが持っている HTML や記事に関係する画像以外の余分な要素を極力そぎ落とし、モバイルデバイスやFacebook 等プラットフォーマーが提供するアプリ上では高速に画面遷移/読み込み/表示されるようになる仕組みのこと。

コンテンツメーカーからすれば、元のコンテンツに加えて各仕様に則ったソースを用意する必要があって、人気サイトやライターが大手メディアやニュースサイトに記事を提供していたことの延長線上になります。

対応コンテンツはより高速に表示されるようになって、コンテンツ表示待ちの離脱が少なく、より読まれるようになる反面、コンテンツメーカー自体のサイトへの誘導、サイト内での回遊、広告のクリックなどのコンバージョン、さらにはコンテンツメーカーのブランディングは難しくなってくるようにも感じます。特に最後が痛いんじゃないかな。

(Instant Articles を見たときに、広告をコントロールして収益の一部を還流させる目的かなとピンときていたら、Instant Articles を提供し、広告収入を折半するようで。やっぱりねぇ)

すでに多くの人がスマートフォンやタブレット端末からインターネットにアクセスするようになっており、インターネットの入り口がブラウザーからアプリになって変わって久しいですが、特に iOS デバイスではアプリ内ブラウザーで事足りてしまうことも多く、ブラウザーでサイトを見ない、という人も増えています。

Google や Twitter、Facebook にしてみれば、少しでも早く、なるべくアプリに集中したい、というユーザーの利便性の向上を目指す、ということを錦の御旗にこうした動きを強く推し進めるのだと思いますが、一方でコンテンツメーカーたちのブランディングが難しくなれば Winner takes all はさらに強まるでしょう(もちろん、一方で自社ブランディングはしない、フリーライターのようにこの腕一本で生き抜く、という孤高の生き方もあるでしょうが)。

かといって単純に新しい技術を拒否しても、巨人の動きは止められない。

付加価値をカケザンして時代を生き抜く

ではどうやってこの時代を生き抜くのか、という問いに絶対的な解は持ち合わせてはいませんが、以下の3つがその鍵になるのではと思っています。

  1. コンテンツそのものが面白い、役に立つ、欠かせないなど、唯一無二の存在であり、支持を集められること(Content is King は死なず)。
  2. AMP や Instant Articles で表示された簡易コンテンツ上でも情報を得られるが、コンテンツホルダーのサイトではより良い体験ができること(サイトに飛ばないと読めない、などは記事ごと捨てられるだけ。サイトに飛ぶという一手間をすれば、アニメーションでより分かりやすいとか、自分にあった内容に変わるとかが望ましい)。
  3. 何より AMP などに表示速度で負けないよう、がんばってサイトとコンテンツを高速化すること(HTTP2 もいいけれど、それだけではなくて、本当に表示させる必要がある要素なのか精査をする、ということ)。

新しくも、容易でも、スマートでもないけれど、今までも絶対的だと思われていたプラットフォームや仕様が消えてなくなる、ということをインターネットの歴史は繰り返してきたわけです。だから、ただ一つを信じて飛びつくより、柔軟に、地道に。一つずつではなくて、付加価値を掛け算するのが大事。

混沌とした世界に光り輝く一粒のサイトが、その光を着実に増して、やがて大きな光となっていく。いつの時代にあってもこうであって欲しい、それは努力と工夫と、たまには思いつきできっとできるはず、とぼくは思っています。


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