大阪府寝屋川市で少年が教職員を刺殺した事件で、少年がゲーム好きだった点を取り上げて多くの報道機関が「ゲームが原因である」かのような報道をしているのを見ましたが、またかという感想です。
このような偏った報道を行えば、テレビゲームに理解のない人たちやテレビゲームに触れたことがない人たちが「ゲーム=悪者」という図式を思い描くことは想像に難くないでしょう。
けれど報道機関ともあろうものが、ゲームがリハビリテーションに向いているということで医療機関に導入されていることや、作家をはじめとする多くの知識人がゲームの物語性を高く評価していることを知らないとでも言うのでしょうか?
プレイステーション2ひとつを取り上げても、日本で2000万台普及しています。ちょっと乱暴ですが、2000万人のゲームプレイヤーがいるとして、その全員が人殺しをするような凶悪犯だとでも言うつもりなのでしょうか?
問題なのは長期間に渡る不登校や友達との疎遠を放置し、社会性が育たないようにした周囲にあるのであって、その間に本人が触れたコンテンツではないはずです。バトルロワイヤルの残虐性の是非が問われたとき、映画=悪者と評した人はいないのに、なぜ事ゲームとなるとゲームというコンテンツが悪者にされるのでしょうか。まだまだ理解されない世界なのかなぁ。
ゲームしかしてない人、人付き合いのできない人はゲームデザイナーにもゲーム雑誌編集者にも慣れないぞ、と少年本人には言ってあげたいですね。物を作る人には何が刺激になるか分かりません。人との会話からアイディアが生まれることもあるし、美しい風景にインスピレーションが沸くこともあるからです。