映画のただ券をもらったので、ちょっと気になっていたヘブン・アンド・アースを見に来たのですが、しっかり土日には使えないただ券で、ものの見事にお金を払って見る羽目に…。ダマサレタ…(–メ)。
さて、このヘブン・アンド・アースですが、紀元700年ごろの中国、唐の時代のお話。日本から遣唐使として派遣され、武術を学んだ来栖(中井貴一・一応主演で最初に名前が出てくる)が皇帝の勅命を受け、かつて捕虜を殺せという皇帝の命令に背いたがために罪人となった李(この人が主役なんじゃないかと…)を追ううちに、李と行動をともにし、彼の人柄を知る、という話になっています。李は命の恩人の戦士が警護をしている和尚(坊さんです。玄奘三蔵がモデルらしい)を供に警護していくのですが、この積荷がただの経典ではないのか、突厥(トルコ系の騎馬民族です)や馬賊が襲い掛かってきます。
グリーンデスティニーのすごいけど、ちょっとあり得ない戦闘シーンとはまた違って、かなり迫力のあるシーンを楽しめます。新疆ウイグル自治区で撮影したという、雄大な自然も見所です。LOTR、ラストサムライ、そしてヘブン・アンド・アースと、歴史物がここのところの映画の流行みたいですね。実はラストでちょっとおぃおぃと思ってしまったのですが、そこに目をつぶればお勧めできる作品です。ヴィッキー・チャオかわいいしね。それだけで満足(・∀・)←これが目当てだったらしい。さて、ネタバレOKな人は続きをどうぞ。どんでん返しがある話でもないので良いとは思いますが。
で、問題の最後のシーンを説明するまでに、ここまでの状況を説明しますと、来栖とヴィッキー演じる文殊は和尚のキャラバンを李隊長とともに手伝うことに決め、行動を供にします。馬賊の襲撃をなんとか逃れて孤城にたどり着き、そこで攻防戦を繰り広げるのですが、李と文殊を除くキャラバンの全員が討ち死に、という結末を迎えます。来栖や和尚も同じ。実在した三蔵はちゃんと長安に戻れたのにです。で、ここで出てくるのが和尚が運んでいたもの。経典ではなく、釈迦の骨である仏舎利です。突厥と馬賊が(ここでは悪者として描かれている)それに触れようとすると摩訶不思議な力が働いて敵を殲滅してしまいます。そのシーンが終わると、唐突に李と文殊が長安にいて、仏舎利の力で唐の時代は長く安定した時代を迎えたとして、映画が終わります。
(中国に都合よく描かれているとか、そういうのはこの際どうでもいいのですが)ここまで現実の話として描いて来ながら、仏舎利に非現実的なパワーがあるという設定が映画を歴史物ではなくフィクションにしてしまって残念でもあるし、唐突に場面が終わってしまうのも残念です。来栖は結局帰りたかった日本に帰れず終わってしまうし、そのフォローもありません。李についてきて討ち死にした仲間たちは大切な家族がいたにもかかわらず、そのフォローもなし。撮影時間が足りなかったのでしょうかねぇ…。妙に残念な最後でした。
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