これまた終わりそうになっていた映画『エアベンダー』を見てきました。なんだか嫌な予感がしていましたが、これが大当たり(笑)
――気・水・土・火の4つのエレメントと、それぞれのエレメントを司る4つの王国が存在する世界。世界の秩序は、長らく4つのエレメントを操るアバターによって保たれていたが、火の王国が他国に侵攻を開始。世界の秩序は乱れた。
ある日水の国に住む兄妹カタラとサカは、氷の中からアンと呼ばれる少年を見つける――
たぶんカンフーテイストなスター・ウォーズ
大まかに要約すると世界征服を企む国(=帝国)があって、それに抵抗する勢力(=反乱軍)が立ち上がり、その中には特別な力を持った救世主(=ジェダイ)が大活躍するストーリーという分かりやすい構成。
スター・ウォーズが中世ヨーロッパ的なスタイルで、宇宙時代を舞台にしたお話とするならば、エアベンダーは中華的なカンフースタイルで、グリーンランドとベトナムあたりを舞台にしたお話、といえばわかりやすいでしょうか。
『インディー・ジョーンズ』のフランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディがプロデュースだし、ILM (視覚効果)と Skywalker Sounds (こちらは音響)でプリプロされてたりと、いろんな意味でルーカス的なのも仕方がないところか。
「(アンが)覚えてないエレメントを学びながら、近くの村を救おう」というサカの台詞にもある通り、本来の目的のためなら全然必要のない障害をこなしていくのも、JRPG 的。
シャマラン節ではない映画
M・ナイト・シャマラン監督というと、『シックス・センス』や『サイン』に『ハプニング』のようなホラー/ミステリータッチの作風が多いけれど、本作にはまったくそれがない。
映像はとにかくよくできているのだけど、如何せん盛り上がりに欠け、驚きも意外性も工夫も見られずあくびが出てくる始末。
シャマラン節を期待して見に行った僕は全くもって外してしまったみたいです。本当にありがとうございました。
ただし、子供向きの映画としてはよく出来ているのだろうし、とてもお金がかかっている。実際火の国の王に『ダイ・ハード 4.0』 のクリフ・カーティスがいる以外、主要キャストは無名な役者ばかりだし(僕が知らないだけだったらすみません)、視覚効果ばかりに製作費が注がれていることは間違いない。
本作は、冒頭の「第1章」が示すとおり、アニメ作品の第1シーズンを映画化したものだそうで、ワールドワイドレベルではしっかり製作費が回収できたようだけど、第2章が映画化されても僕は多分見ないだろうな、という内容で残念。
おでこんオススメーター:★☆☆☆☆(テレビでやっていたら見ればいいレベル)