映画『第9地区』を見てきました。
今年度が始まってから気がつくとあっという間に半月立っていた。早い、早すぎる。そう、忙しすぎるのが原因なのである。
部下が増えたり、仕事が増やされたり、仕事を増やしたりしたせいだ。
しかし、人間忙しいと突然違うことがしたくなる。突然部屋を掃除したくなったり、突然箱根に富士山を見に行きたくなったり、突然映画に行きなくなったりするアレである。
というわけで、映画を見に行くことにした。今日のチョイスは、ティム・バートンが贈る新感覚ファンタジー。
って、それは『9 –ナイン-』 やないか!9しかあってへんわ!
今日のチョイスは、どこからどう見ても B 級 SF 映画なのに、アカデミー作品賞にノミネートされてしまった『第9地区』。
ハリウッドの宇宙人モノといえば、宇宙人が地球侵略にやってきて地球人対宇宙人で戦うか、醜い宇宙人と子供の心の交流と決まっている。
ところが本作の宇宙人は地球にやってくるなり栄養失調になっており、死屍累々。ヨハネスブルグの上空にバカでかい宇宙船を浮遊させたまま沈黙。現地の政府はよりにもよって宇宙人たちを難民として受け入れてしまうというのだから、面白い。
案の定現地住民と揉め、結局立ち退きを要求することになるのだが、その際もわざわざ立ち退き要求書を見せて宇宙人からサインをもらうという滑稽な構図。
その宇宙人も、テレビ CM ではあんなにしっかりマル秘印で隠しているのに、開始5分であっさり正体がばれてしまう。
隠していたのは驚くべき宇宙人の姿で勝負したい、という映画ではなくて、宇宙人の姿ってたいてい隠しているよね、という SFモノの常識に対するオマージュだったらしい。
最初は醜いと思っていた宇宙人も2時間も見ていると、憎めない顔してるなぁと思ったりするから不思議。
中盤主人公はある事情で実験材料とされてしまい、虐待を受けるシーンは見るに耐えないが、宇宙人でもなく黒人でもない主人公を通して人種差別と社会風刺を描いているのだと思うと、これもまた面白い。
ドキュメンタリー風の映像で始まったり、ステディカムが続いたり、映像も粒状感があって鮮明でなかったりと、低予算なのかな?と思っていると、しっかりと VFX してたり、チェイスシーンの連続、独創的なウェポン、果てはロボットまで出てきて、最後は心温まって終了。面白かったです。
P.S. あの液体は結局何だったのか、とか、3年後はどうなったの?とか気になるところはあるけどねー。