ダン・ブラウンによる同名小説の映画版、ロバート・ラングドンシリーズ「天使と悪魔」を見に行ってきました。
実在する/した芸術作品や文書、神話や民間伝承を面白おかしく組み合わせて、衝撃的な物語(フィクション)を作り出したのが、このシリーズの面白さなのですが、前作は「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」と書いたばかりに物語(フィクション)の部分まで物議を醸し出してしまったのは記憶に新しいところ。
そんな前作とは違い、今作は枢機卿の連続殺人予告を追ってバチカンのあちこちを移動するノンストップアクション観光大作といった仕上がりで、わりと納得のできる内容になっているのではないでしょうか。イルミナティについても、あの扱いなら納得かなと。
そもそも、ダン・ブラウンはインディアナ・ジョーンズを意識してロバート・ラングドンをキャラクターメイクしたそうですから、冒険活劇のほうがあってるはずですね。
唯一気になるのは冒頭に出てくるCRENが生成に成功したという0.25gの反物質。反物質という物質の存在も、現在の科学技術で生成できることも事実ですが、大爆発を心配しなくてはならないような量を生成するには宇宙ができてから今までよりもはるかに長い時間が必要なはず(…と宇宙科学の先生に習った。このあたりや、科学的記述の成否については東大の早野さんが書かれた物理学者とともに読む 「天使と悪魔」の虚と実 50のポイントに詳しいので、こちらを読んでみてください)。
映画の冒頭でいきなりげんなりするかどうかでこの映画を楽しめるかどうかが決まってくるでしょう(笑) いずれにしてもアクション大作としては面白かったです。