水深40メートル。バディと二人で取り残された。使えるボンベは一つ。残圧30。片道一人分だ。お前なら、どうする…。
原作のマンガもテレビドラマも見ていませんが、海上保安官達の熱い友情に感動して涙がぼろぼろ出てきた映画です。
伊藤英明扮する主人公:仙崎大輔は海上保安官の中でも一握りの人間しかなることのできない「潜伏士」を目指す訓練生。海上保安学校で訓練を受ける中で、工藤 始(伊藤 敦史)とバディを組むことになる。工藤はクラスの落ちこぼれで何をやっても最低レベル。仙崎は工藤に足を引っ張られるが、やがて潜伏士になって地元の漁師を救いたいという熱い思いを秘めた工藤に共感。同じクラスの仲間たちとも友情を深めていく。ところが、ある事件がきっかけで仙崎は、潜ることに恐怖を覚えることになる。果たして仙崎は潜伏士になれるか…。
というお話。踊る大走査線を撮った製作集団「Robot」が作っただけあってハリウッド映画に引けをとらない内容になっていました。何しろ「海上保安庁全面協力」を宣伝文句にしているだけあって、ヘリコプターや巡視艇がばんばん出てきます。アメリカと比較すると映画製作には非協力的だった日本政府ですが、こういう姿勢が出てきたのはいいことだと思います。
ストーリーのことを言えば、この映画の批評を見ているとよくトップガンとの比較がされていて、トップガンに劣ると言われているようですが、それは仙崎と伊沢環菜(加藤あい)との恋愛を描いてはいるものの、たとえこれが無かったとしても本編には何ら影響がない程度になってしまっているからだと思います。映画を通してみると、二人のロマンスを描いてる時間ってすごく少ないんです。大筋は仙崎の成長や友情を描いていて、そこはとてもよかったです。冒頭の科白は仙崎の教官源(藤 竜也)のもので、この人がカッコいい。私が涙をぼろぼろ零していたのも、藤 竜也氏の演技のところです。
もう一つ話題になったのは、この映画のスタッフロールが終わった後に次回作の予告が入っているところです。スポーツ新聞では「製作も決まっていない次回作の予告編が入っていて前代未聞」と言われていたようです。今は製作も決まったみたいですが、こういう試みって面白いですよね。私は、スタッフロールも映画の一部だと思って楽しむタイプなのですが、映画が終わると立ってしまうお客さんってとても多いです。ちゃんと最後まで残っていた人へのご褒美というか、最後まで残ろうよ!というメッセージなのか、とてもいい仕掛けだと思いました。
ところで、この映画のコアターゲットは、10代男女だそうで、20代以上の人ばかりがいた試写会では次回作予告で爆笑になったそうです。20代以上の人はこんな映画では騙せない、などと酷評してる人もいるようですが、あなたはどう判断しますか?
おでの独断と偏見に基づいた評価:「踊る」に興奮したあなたなら見て損はない!と思う…。